展示室2C

見えにくいと何が起こる!?〜その2 空間失認〜

 

 このお部屋では、見えにくいと苦手になりがちだと思われる空間失認についてと、どうしたら苦手が解消できるのか(あるいはできないのか)について解説してまます。

 

空間失認とは?

 ものがどこに片付けてあるか覚えられない、方向音痴、地図が読めないといった空間把握が苦手なことをまとめてこう言います。

 

 方向音痴、これはもうどうにもよくならないですね。方向音痴改善薬なんてのが出たら、世界中で大ヒットしそうな気がします(笑) 対処法としては、インターネットなどを駆使し目的地について調べ上げる、複数で行動する場合は人の後ろについて歩くなどがありますが、いずれも完全な方法ではありません。

 

 

 地図をもとに、行動する。これは、見えにくいと大変ですね。phは、地図に描いてあるはずの目印が発見できないということがよくあります。

道中で道を聞く力というのが、ある程度必要になってくるのではないかと思います。

 

 さて、片付けなどものの管理が苦手なことについてお話していきましょう。これは、どのように改善していく方法があるのでしょうか?

自分の靴箱を見つけ出せないで困っているAくんについて、考えていきましょう。まず、Aくんの靴箱を靴箱の一番端にしてあげると分かりやすくなりますね。さらに、Aくんにはっきりと分かる目印(例:靴箱の上に新幹線のシールを貼る、鈴をつける)を靴箱につけてあげるとよりGOOD!そして、Aくんにこう言ってあげるといいですね。

「Aくん、Aくんの靴箱は一番右端の新幹線のシールが貼ってあるやつだよ。だから、端っこの方で新幹線を探してみてね。」

こうすると少しずつ、自分で靴を探せるようになっていくのではないかと思います。

 

 このように

1、      その子が分かりやすい場所に、その子のものを

2、      いつも同じ場所に、いつも同じ物を

3、      言葉のみによって、ものの場所が特定できるように

が、見えにくい子どもさんが(いや、大人も)モノと戦う(phは,見つける、管理する、片付けるといったモノとともに取り組むあらゆることがらを、モノと戦うというふうに表現します。)うえでとても重要な「戦術」となっていくのではないかと思います。

 また、モノと戦うことが保育や家庭での目標なのであれば、時間をかけてゆっくりと取り組ませる課題ははじめ簡単なものにし徐々に難しくしていく(例えば初めのうちは近くにあるものだけを探させ、遠くにあるものは拾って渡してあげるとか)ということが大切なのではないかと思います。

 

 このほかにも弱視だとつまずきがちな機能はあるように思うのですが、それらは日をあらためて解説したいと思います。

 

 というわけで、次は保育園でのお話。

 

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