展示室2B

見えにくいと何が起こる!?

〜その1 言葉について〜

 

右脳はものを見て認識する力を、左脳は言葉を覚える力をつかさどるという言い方をされることがあります。まあ、脳の機能ってそこまで単純に語れないのだけれども。

 

 弱視だとどうしても、ものを見る力が弱いために右脳の機能がつまずきがち(左脳優位)になるように思うんですね。そしてそのことによって右脳と左脳の機能に、発達のアンバランスが生じ「言葉は年齢相応に出ているのに、絵は年齢が同じほかの子どもさんに比べて幼い。」なんてことが起こってくるように思います。親御さんのなかにはそういったことに、とてもイライラされる方もおられると思います。このお部屋ではまず左脳優位だとよく発達する言葉について、次のお部屋では左脳優位だとつまずきがちになる右脳の機能について触れていきたいと思います。

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 というわけで、まずは言葉のお話です。

 先ほど、弱視の子どもさんは言葉の発達が比較的速いケースが多いというお話をしました。しかし、その一方で、「言葉が出るスタートの時期」は遅れがちになるという報告もあります。phはこの報告を見たときに、他人の口元が見えにくいので発声のコツがつかみづらく、その結果遅れがちになるんじゃないかなあと考えました。だから周りの大人は、弱視の子どもに口元が見えるような近い距離で、ゆっくりと話すといいのではと思います。

 

 また、見えにくいことで理解が苦手になる言葉があるというのも事実です。

「ピカピカ」「キラキラ」といった見る事と直結する言葉、空や鳥、炎といった、触って把握することができない(難しい)ものは、どうしても理解が苦手になりがちと言われています。また、赤や青といった色の名前を、理解するのが難しい弱視の子どもさんもいますね。

 

それから、現実性を伴わない言葉の使い方が多いといった指摘もあります。

 いろんなところにお散歩に行ったり、お買い物に出かけたり。そういった中で、「このトマト、何色かな?そうだね、赤いね。きれいだね。」とか「水たまりがあるね、おひさまに照らされてキラキラしてるね。」とか子どもの見え方に合わせつつ、いろんな感覚でさまざまなものに触れ言葉と結びつける経験がたくさんあればこれらの言葉の苦手は少しずつ解消していくんじゃないかなと思います。絵本、できたら文字も絵も大きくて、色がはっきりとした絵本を読むのもいいですね。

 

 とにもかくにも左脳優位の子どもさんは、言葉が豊かであるという特徴をもっています。これを生かさない手は、ありませんね。

 まず、この力をしっからほめていきましょう。

「難しい言葉、知ってるんだね。」「本が、上手に読めたね。」そう言われると、子どもたちはきっときっとうれしいと思います。

 

 また、苦手なことも言葉による理解が促せないか考えてみるといいでしょう。このことについて詳しくは、次のお部屋でふれていきます。

 反面言葉の発達がほかの機能よりはるかに早く発達すると、苦手なことは言い訳をして避けようとしたり、それとなく話題をずらそうとしたりすることがあるかもしれません。私は、そうでした(し、今もそうかもしれません。汗、汗)。でも、その言葉にまどわされないで!少しずつ子どもさんはどんなことが苦手なのかな? どうしたらできるようになるかな?って考える習慣を身につけていってください。

 これで、言葉についての話はおしまい。

 次のお部屋は、左脳優位だと苦手になりがちなことのお話。お時間ゆるす方は、ぜひ読んでみてください。

 

 なお、この文章は佐藤泰正「障害児の心理」(学芸図書)、ロービジョンQ&A編集委員会「ロービジョンQ&A」(大活字)を参考に書きました。

 

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