展示室4C 理科の試験で困ったこと

 

展示室4Bでも述べたように、私は座席を1番前にしてもらうこと以外、学校側に弱視ゆえの配慮をお願いすることはなかった。だから試験用紙も拡大してもらうことなく、みなと同じ文字サイズ、同じざら半紙の問題用紙を使ってテストを受けた。また、解答用紙もみなと同じものを使った。もちろん、試験時間を延長してもらうこともなかった。このようにみなと同じ条件であることで、私は思わぬ苦労をすることがあった。

 

ここでは、特に困った理科の花のつくりに関する問題でのことを紹介したい。

それは花のつくりを表した図に矢印がひいてあり、矢印で指し示されている部分の名称を答える問題だった。問題文も、図も、眼鏡をかければ把握できたのだが、困ったことに矢印が図のどの部分を指し示しいるか分からなかった。図が小さかったためか、矢印が複数の部分を指し示していたように見えたのである。私は挙手し、試験官の先生にそのことを伝えた。試験官の先生は初め私が何に困っているのかわからずとまどわれているようたっが、結局その図を大きく書きながら、『この矢印は、上の部分を指している。』といったように説明してくださった。そしてようやく矢印と図にある部分の対応が分かり、なんとか問題を解くことができた。

わずか2、3分のできごとではあったが、その前にどうしてよいか分からず緊張したためか、10年以上だった今でもよく覚えている。

 

今思えば試験問題を拡大してもらえれば起きることがなかったであろう、苦労である。また、試験時間のロスでもある。みなと同じ条件で試験を受けたことで、結果としてみなと異なる苦労をすることになったのである。

 

学校ではごく当たり前のように、みなと同じ方法で同じ結果が求められることがある。みな同じ試験時間で問題が解けて当たり前、みな同じ授業を受けて授業の目標とするレベルに到達できて当たり前、みな友達を作り仲良くするのが当たり前。

ところがみなと同じ方法をとっても、先生や親など子どもの周囲が求めるレベルに到達できない子どもがいる。みなと同じように努力しても、それ相応の結果を残せない子どもがいる。そのことを、当事者である子どもも含めた保護者や先生、時にはその子の友人など多くの人々が認識する必要があると思う。

また認識したうえで、子どもたちにある差を埋めるのか、埋めないのか対処法を考えることも大切だろう。