展示室2A

障害認定を受ける

 

 

1983年1月、phは福井県武生(たけふ)市{現在の越前市}に生まれました。寒い寒い、雪の日でした。

そして、このころから私の右目の眼球は左目のそれにくらべ明らかに小さいものでした。

「何かが、おかしい。」

両親はphを連れて、いくつもの病院を訪ね歩きました。

そして1988年12月、phは障害者手帳を交付されるに至りました。診断名は、両眼小眼球、ブドウ膜欠損、脈絡膜形成栓虹彩後癒着および白内障による右眼前指数弁、左0,08。障害等級は、視覚障害4級でした。

このころからはっきりと、晴眼者の家庭にたったひとりの弱視者としてのphの生活が始まったのでした。

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 大学で障害者心理や障害児の保育、教育について学び始めたころから、ふと自分の子どもが障害認定を受けるってどんな気持ちなのだろう?って考えることがあります。

 

 「親である自分のせいで。こうなったんだ。」

そんなふうに、思われる方もおられることでしょう。

私はそういった方に、「そうじゃない。」などと軽々しく言うつもりはありません。仮に論理的に親のせいでないことを説明できたとしても、簡単に自責の念とさよならすることはできないでしょう。

 でも、私はこれだけは伝えたいんですね。

 「今あなたの目の前にいるお子さんは、あなたを選んで生まれてきたんだよ。あなたならきっと、私を幸せにしてくれる。そう思って苦労して産道を通って、産まれてきたんだよ。」って。

 障害のあることの暮らしは、決して平坦じゃない。いや、障害があろうとなかろうと子どもとの暮らしは平坦じゃないもんです。でも、あなたには「あなたを選んで生まれてきた我が子」との暮らしをまずは精一杯生きていってほしいなあと思います。

 

 

 

 「この子の将来は、どうなるんだろう。何も、できない子になるんじゃないだろうか。私がこの子にかわって、この子のことみんなやっていかないといけないんじゃないだろうか。」

そうなふうに思われる方も、おられるでしょう。

「そういう方にこそ、まずこのホームページを見てほしい。」と私は思うんです。このホームページでは、私の学校生活など多くの体験をできるだけリアルに伝わるように描いていきたいと思います。そんな私の体験を通して、「ああ、弱視でもこんなことできるんだな。」とか「とはいえ、やっぱり不便なこともたくさんあるよな。」とかいろんな思いを抱くことと思います。そしてここで抱いたいろんな思いに時おり気にとめながら日々生活を送ってくれたら・・・phにとってそんなうれしいことはありません。

あらためまして、「phときめき資料館」にようこそ。この資料館は年中無休、入館料無料となっております。お時間のゆるすかぎり、ゆっくり過ごしていってくださいね。

 

展示室2Bに行く