3F 小眼球とは

 

症状

その名の通り、眼球が小さい状態をいいます。

 

合併異常の有無によって、2つのタイプに分けられます。

まず、合併異常がないタイプ。このタイプは、真性小眼球といいます。強度の遠視となり、視力が0,1ほどしか出ないこともあります。

 

 もう1つが、小眼球以外に合併症があるタイプ。特に名前は、ありません。コロボーマをともなうことが、多いようです。コロボーマについては、4Fで解説します。

 

合併異常があると、羞明(しゅうめい=まぶしいところでは目をあけていられなかったり眼前がまっしろに見えたり、また室内でも強くまぶしさを感じたりと、過度にまぶしさに弱いこと)や眼振(ものを見ようとすると、目が揺れること)をともなうことが、多いようです。でもphには、目が疲れたときに少し出たことがあるくらいでほとんどありません。人によりけり、ということなのでしょう。

 

眼振については、以下で再度詳しく触れます。

 

また視覚に障害があると、いやおうなくばれてしまうのも小眼球の特徴かと思います。

 

原因

先天性風疹(ふうしん)症候群、先天性トキソプラズマ感染症、ピーターズ奇形、第一次硝子体遺残などの先天的な異常にともなって、眼球の発達が障害されて起こるといわれています。

 

治療・処置

合併異常がなく軽症なら、1Fで示した医学的弱視と同様屈折矯正を行うと視力の発達が望めることもようです。

 

また視機能がほとんど望めない場合、眼球の周りの骨の成長を助けるために義眼を入れることがあります。

 

義眼とは?と思われた方は、こちらへどうぞ。製本の紹介やはめはずしの方法が書かれており、参考になると思います。

 

カジヤマプロテーゼ

http://www.meishi.com/kajiyama/

 

phのように合併症があっても視力が望める場合、義眼は入れません。義眼を入れたほうがよいかどうかは、眼科でしっかり検査・相談をして決められてください。

 

眼振について

眼振について、ここで参考になるサイトを紹介します。

 

紹介するのは、イギリスにある眼振がある人の会Nystagmus Network(ニスタグムス・ネットワークの情報を日本語で紹介するホームページ。眼振をもつ子どものための情報が充実しているのが、特徴的です。

わぶりぃ・あいず

http://www.geocities.jp/wobbly_eyes/

 

このフロアは、以下の本を参考に書きました。

 

所敬 金井淳「現代の眼科学」(金剛出版) 

猪俣猛「眼の組織・病理アトラス」(医学書院)

大川原潔〔ほか〕編「視力の弱い子どもの理解と支援」(教育出版)

 

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