展示室3B 幸せを運ばない

 

2005年1月に、大学から帰ってきて書いた文章です。phには珍しく、映画のお話。

 

今日は友人と、途中までバスで一緒に帰った。
 映画好きの友人は、バス車内で私が退屈することのないようにと3日前に観たという映画について熱弁をふるっ

てくれた。
 ざっと、ストーリーはこうだ。
トム・クルーズ演じる主人公は、美男子で会社の社長でお金持ち。彼女は美人で、おまけにセックスフレンドもいる。
 ところがひょんなできごとから彼は、美貌も、財産も、地位も失うことになって・・・。

 ストーリーを話してくれた後、彼はこう続けた。
「いやあ、トム・クルーズが出ている順風満帆のラブストーリーも見ていて爽快なんだけどねえ。こういうあえて“幸せを運ばない”ストーリーを映画の中で経験しておくのも悪くないんだよね。」
 私は、ああなるほどそんな悲しくなるストーリーも時にこうやって人に愛されるものなのだなあとしみじみ思った。
         「バニラスカイ」
 まだ観ていないその映画に、なんだか勇気をもらった気

がした。